- ● (燗)純米酒(三年熟成酒)
- 独楽蔵(こまぐら)燗純米
- [容量]
- 1,800ml
- [原料]
- 原料米:大地の輝(福岡県糸島産)/精米歩合:60% 協会酵母9号
- [蔵元]
- 福岡県久留米市三潴町玉満 株式会社杜の蔵
- [アルコール]
- alc:15度 日本酒度+4.0 酸度1.5 アミノ酸度1.4
- [その他]
- 製法:9号低温発酵/貯蔵:定温熟成2〜3年
室岡が語る独楽蔵 燗純米とは…
全国の当店ホームページをご覧の皆さん、純米酒をお燗にして飲むと美味しいって知ってました??残念ながら…まだあまり知られていないんですよネ…。じゃあ、純米だったら何でもお燗にしてうまいのか?と言うと残念ながら、答えはNOです。日本酒にも、いろいろあって、ワインと同じように、出来立てが美味しいものもあれば、しっかりとした熟成をしたもののほうが美味しいものもあります。
長期熟成した高級赤ワインは、よく常温(約16℃前後)で飲むのが当たり前になっていますが、それは、常温の時に旨みを発揮する成分(酸)を含んでいるからなのです。また、純米熟成酒にも同じことが言えるのですが赤ワインと同じ成分(酸)をワインよりもより多く含んでいて、温めた時にその旨みが最大限に発揮されるのです。よく、「口の中で味わいが膨らむ」と言った表現をしますが、この『独楽蔵 燗純米』は正にその通りのお酒になってます。
じゃ〜純米酒なら何でも熟成できるのか??と言ったら、この答えもNOです。元々熟成を視野に入れた、骨太なしっかりとしたお酒造りをしたものでなければ熟成には耐え切れません。この『独楽蔵』は、逆を言えば、出来立ての頃には、飲み頃ではないので少し硬い、若々しい口当たりになっています(最もその状態のものは発売されてませんが…)。そう、まるで、飲み頃を迎えていない、ボルドーワインのような…。熟成向けに仕込まれていないお酒だと当然、熟成途中に劣化してしまいます。これには、仕込み方もあるのですが、原料米などにも大きく関わり合いがあり、米を見極めて仕込まないと、なかなか成し得ないものなのです。
『独楽蔵』は、年間通して低温約15℃で3年間貯蔵をされます。コレは、ワインのカーヴ(ワインの地下貯蔵庫)と同じ条件化にある状態での熟成で、熟成中に新酒の頃には無かった、香気成分や味わいに大きな変化をもたらします。逆に、新酒の頃にあった渋みや、ぎすぎすとした口当たりは、消え三味一体となった旨みが大きく前面にでてきます。この成分こそが、お燗を美味しくしているのです。
じゃ〜熟成していれば、純米じゃなくても…と言いたい方もいると思いますが、そのことについては、否定はしませんが、日本酒は古来から、米と水で造られてきました(戦争時代以外は)。どうせ飲むなら、混ぜ物(添加物など)のない、誤魔化しの利かない自然な味わいの旨さを、安心して飲んでもらいたいと私は考えています。そこにあった答えはやはり、この『独楽蔵 燗純米』だと思います。他の早飲みタイプのお酒と全く違う本物の熟成酒です。そう…簡単に言えば長期熟成高級ワインのような…。
ちなみに、杜の蔵さんのお酒は全て、純米酒。そうオール純米専門蔵なんですよ。純米酒造りを極めている蔵だからこそ出来る決断だと思います。純米酒造りは、非常に難しく、他の蔵では純米を失敗した時にアルコール添加をして、本醸造として売る蔵もあるらしいのですが、純米蔵ではそれが出来ないですから、いかに丁寧な酒造りをしているかが、それだけでもうかがえますよね。こだわっているのは、熟成だけではありません。原料米には、完全契約栽培された、福岡県糸島産、大地の輝き(山田錦の品種改良米)を全量使用し丁寧に手造りされます。
実は、福岡県糸島は、兵庫県に次ぐ酒米の名産地なんです。よい条件のもとで健全に作られた酒米でお酒造りは行われています。生産者が明確で目に見える製品と言うのは実に安心できますよねっ!また、蔵に流れる筑後川水系の豊富で清らかな地下水(軟水)の水質が良く(そもそも、酒造りは水がよくないと造れませんが)気候、風土ともに、よい環境で、『独楽蔵』は誕生しています。
いつか蔵元が言っていました。「酒造りは、造る(生産)するものではなく、育むもの。」正に、自分の手塩にかけ育ててきた子を、立派にして、世に送り出す気持ちと同じだと。こんなにも、物が豊富な時代に、私はこんな想いを持った蔵元に出会え、日本酒への新しい価値観を持つことが出来ました。この蔵元の思いをつなぐ架け橋になればと思います。
昔(昭和の頃)に合った日本の食卓の風景…。食事を囲みながら家族の団らんにあったお燗のお酒…。昔をもとめても仕方ありませんが、日本の食文化で言えば、この『独楽蔵』は、正にスローフードです。忙しい毎日の中のひと時の時間を、この独楽蔵で、「オ〜イ、カ〜チャン1本つけろや〜」(ドリフ?)と思わず言いたくなるような?゛ホッ"とさせるどこか懐かしいような時間を、この時が醸した旨さで癒されてみませんか?
利酒師室岡の人体実験コ〜ナ〜
「ただいま〜 オ〜イカ〜チャン一本つけろや〜」
「うるさい!なにバカなこと言ってんの!!あんたドリフの見すぎ!!!」妻にお、怒られた…。まあ〜平成のこの時代現実なんてこんなもんだ(笑)。でも、子供の頃から一回はこのシーンやってみたかったんだよな〜。まあ当然ながら、妻がお燗をつけてくれるわけでもなく、そそくさと自分でお湯を沸かす…。
【まずは冷やで】
言うまでも無くこの『独楽蔵 燗純米』はお燗だろう。そう思いつつも、お湯を沸かしているうちに、まずは、冷や(室温)で。お猪口に鼻を近づけるとほんのりと香る熟成香。その香りは、嫌味の無い品のある枯れた香り。これだけでも、熟成のばらつきの無さを感じる。複雑ながらも集約された感じだ。その香りを感じながら、ゆっくりと口に運ぶ−!!!−「常温でもいける!」口に入った瞬間に感じるほのかな米の甘みと旨み。穏やかながらしっかりと主張してくる、コクそして、口の中に広がった甘みを断ち切るかのように徐々に広がってくる締め付けるようなキレ。やや辛口タイプに感じる…。(これをもし冷やしたらそれはそれで、楽しめるかも?)そんなことを考えつつ、やっぱりお燗に…。
【ぬる燗】
まずはやっぱり、ぬる燗から。(私の中の鉄則である)−!!!−「酒の味が全く変わった〜!」なんてことだ!お燗をつけてこれほどにも変化するとは!!!まるで、パッと咲いた花のように!正直感動しましたっ!熟成香はやや穏やかになり、なんともいえない米の旨みが口中に広がりスッと引く。‘旨いっ!’ポッタリとした、重厚な感じは全く無く、しなやかで、じんわりとなじむ感じだ。しかしそこはやはり熟成酒。飲み応えという観点でのVコクVもしっかりとしているのが嬉しい。ここまで、コクがあり、真が通っているのならば、まだまだ温度を上げてもいけそうだ。
【上燗45度】
次は上燗45度。うん、いい感じ(^^)先ほどまでのVコクVはそれほど感じなくなったが、旨みは崩れることなくしっかりとしているキレもいい。ただ少し酸味が気になる(すっぱい訳ではありません)。そしてこの長い余韻。もう答えは歴然だ!元々蔵の目指す酒は『食になじむ食中酒』。なるほどね〜酒だけで飲んでいると言いたいことが良くわかる。この余韻と酸味があるからこそ何かつまみがほしくなるというものだ。
【今日の肴】
そこで、今日の肴はコレ!サバの塩焼きでいってみるか。白身の部分に醤油をたらして…。脂ののった白身に醤油のコクがプラスして『独楽蔵』によく合う。ジュワ〜っと口中に広がる油と、プリッとしたサバの旨みと醤油の隠し味が絶妙に混ざり合い『独楽蔵』がさらにその旨みを引き立てなんともいえない至福のバランスを感じる。また、『独楽蔵』も単独で飲んだときとは全く違う印象に感じてきた。ごく自然に口の中に入り、サバの旨みがさらに酒の旨みを倍増させている。食とともに飲むと、さっき感じていた余韻や、酸味はかき消され、全てが味わいの中に溶け込んでるような感じにとらえられる。(これが相性ってもんなんだな〜)しみじみ納得してしまった。
【熱燗55度】
さておき次は熱燗55度。これまた、いいじゃないのっ!やはり崩れることなく、旨みを保ったまましっかりとした味わいの主張がある。しかし少しスッキリしすぎだ。まあ〜好みの世界なので、このへんはここで飲んだときに判断していただきたい。寒い時期ならばこの温度はやはり最高だろうな…。
【燗冷まし】
つづいて、燗冷まし。一般的には、燗冷ましはまずくて飲めないとされているが…。時間とともに酒が温度を落としながら変化していく…。ちびちび味見しながら温度変化の過程を楽しむ。これはこれで楽しい。ほぼ常温ぐらいまで落ちたところで、再度飲んでみる…。んんっ?嫌味が無い。空気に触れているため多少、酸味が強くなってはいる感じがするが、苦味やばらつきなどは出ず、相変わらず丸くやわらかな感じをたもっている。これには、豆腐の酒盗のせで頂こう。細かくきざんだ三つ葉を酒盗にあえ、極少量のレモン汁をたらして、豆腐にのせただけの簡単料理だ。「コレも燗冷ましの独楽蔵に良く合うな〜。」酒盗の塩分と少量のレモンを入れて和らいだコクと豆腐の食感が混ざり合い、口中に味わいが広がる。そこに常温にもどった独楽蔵を「グビッ」。口の中で、食と酒が打ち溶け合い引き立てあっている。ウ〜ん最高〜!
しかぁ〜し、やっぱりお燗がいい…。次はまた42度のお燗…。そんなこんなで、一回に四合も飲んぢゃいました(笑)。 このページご覧の皆さん、この、『独楽蔵 燗純米』は独楽蔵シリーズの中でも飲み応えあるコクのあるタイプです。こうゆうタイプのお酒は、飲み疲れなく、量が入りやすく、しみじみと旨さが感じられる一本となっています。本物のお燗を楽しみたい方にはかなりおすすめです。くれぐれも、食とともにお楽しみ下さい。料理も酒も本当の意味での味わいの深さが実感できることと思いますよ。
あっ!そうそう、お燗を飲むときは必ず、水も(常温・もしくは、ぬるま湯)一緒に飲みながら飲むことをおすすめします。これは、【和らぎ水】と言って胃の中でアルコールを中和させる目的なのですが、一緒に飲んでいると悪酔いせず、楽しく気持ちよく、お酒の量が飲めるのです。私も必ず飲みながら飲んでるのですが、次の朝が非常に快適にすごせてます。まぁ〜最もこの『独楽蔵』は少々飲みすぎたところで、二日酔い(個人差はありますが)にはなりませんが…。コレが、本物の純米酒の秘めた力であり魅力だと自分自身思ってる次第であります。皆さんも是非この純米お燗ワールドをお楽しみ下さい。







